感想

【感想】瀧本哲史さんの『2020年6月30日にまたここで会おう』

友人にすすめられて、投資家の瀧本哲史さんの最新刊『2020年6月30日にまたここで会おう』を読んだ。そこで1つ、ある謎が解けた。

『2020年6月30日にまたここで会おう』の表紙

なぜこの人は、金儲け、権威稼ぎっぽいことをしないんだろう?

ものすごくストレートな言葉を使うと、私は瀧本さんに対して「なぜこの人は、「金儲け」や権威使った発信をしないんだろう」と思っていた。これは私が実際に、読書ノートに書いていた言葉だ。

私が初めて瀧本さんの書籍を読んだのは、社会人2年目の頃だから、結構最近だ。2018年に『僕は君たちに武器を配りたい』を読んだ。その本はキャリアに関するアドバイスを、具体と抽象のバランスよく書かれた書籍で、すぐに大学の先輩に感想を話した。もともと私は人にすすめてもらった本しか読まない、と決めていて(小説は別。)、『僕は君たちに武器を配りたい』も先輩からすすめてもらったのだ。

読み終わった時、高校生の頃に読めたら人生が変わっていたかもしれない、と思った。

その後も、瀧本さんが書いた本を読んだ。そして、瀧本哲史ラインナップを見ているうちに、疑問が湧いた。

  • 僕は君たちに武器を配りたい
  • ミライの授業
  • 君に友だちはいらない
  • 読書は格闘技

「なぜ瀧本さんの本のタイトルには『マッキンゼー流』とか、『儲かる』みたいなキャッチーな言葉がないのだろう」

と。別に「マッキンゼー流」とか、「XX社の社長」とかそういう肩書きを本のタイトルに入れることに否定や嫌悪感があるわけではない。そのほうがキャッチーだし、権威があるというか信頼できる感じがするし、手に取られやすいと私は考えている。しかし、瀧本さんの本のタイトルにはそれがない。略歴にも、これまで彼が役員を経験してきた企業の名前は結構伏せられている。なんでだろう。

パラダイムシフトはなぜ起きる?

『2020年6月30日にまたここで会おう』の中で、パラダイムシフトの話題がある。

天動説が有力だった時代、地動説を唱えた学者は迫害された。しかし、時が経つと地動説が認められ、今では地動説が当たり前になっている。それはなぜか?それは「天動説を唱え、信じていた人たちが死んだから」

正しい学説(地動説)は、若い学者たちに支持された。データを見れば正しいことはわかるんだから、支持者が出るのは当然だ。しかし、ある程度年齢を重ね権力がある人たちは天動説を信じていたから、なかなか正しい学説(地動説)は広まらない。

やがて時が経ち、誤った学説を信じるものは年老いて死んでいく。もしくは権力を失っていく。そして、正しい学説を信じる世代への世代交代が起きる。「世代交代」がパラダイムシフトの正体だ。だから、後ろの世代に正しいパラダイムを伝えることで、良いパラダイムシフトが起きる。

瀧本さんが本を書いている理由はこれだった。正しい知識、正しい考え方を自分より若い人たちに残していくことで、より良い日本の未来に期待していたのだ。

だからキャッチーな言葉で読者を獲得するような本のタイトルにしていなかったんだと思う。

その時ハッとした。自分も気づけばアラサーで、人生何回でもやり直せるとはいうものの、ここからどんどん、やり直しは効かなくなるんだろう。10代、20代の経験や、その時に覚えた考え方がその後の人生を作っていくだろう。自分ももう、自分より年下の人たちが、より良い人生を送れるように、自分の経験を反面教師にしてもらうとか、参考にしてもらうようなことがある年齢なのだ。

その時に「こいつのいうこと薄っぺらい」とならないように、30歳を迎えるまであと4年、濃密な毎日を送りたいと思った。なお濃密な毎日が何かは私の中ですでに定義されており、毎日濃密に過ごせたか?をはかっているがここでは書かない。