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おっさんずラブを見てほしい

イギリス出張に旅立った友人からこんな連絡がきた。

イギリス出張に旅立った友人から届いた連絡

『おっさんずラブ』とは、2016年12月に1度だけ単発ドラマとして放送された恋愛ドラマである。それが大きな反響を呼び、2018年に連ドラ化。2019年には映画化され、ドラマはシーズン2の放送も決定している。

簡単なあらすじ

モテない巨乳好きのサラリーマン・春田(田中圭)は、ある日、男らしく頼れる上司・黒澤(吉田鋼太郎)から告白される。

さらに、ルームシェアをしていたイケメンで仕事も家事もできる完璧な後輩・牧(林遣都)からもキスされ、交際を迫られる。

女好き春田はどうする?!

画像はhttps://www.tv-asahi.co.jp/ossanslove/cast/より引用

何でこんなにブレイクしたんだろう

『おっさんずラブ』は冒頭で説明した通り、大変な人気を獲得している。
これほどまでに人気になったのはなぜだろう。

私が考える『おっさんずラブ』の人気がでた理由は以下の3つだ。

  1. 結婚や愛の形を問う、純愛ドラマだから
  2. 特別視や否定のない世界観だから
  3. シリアスとお笑いのバランスが絶妙だから

結婚や愛の形を問う、純愛ドラマだから

このドラマを企画したプロデューサーはごく普通の28歳の女性だった。
同性恋愛の当事者という訳ではない。しかし、ある日、こんな出来事があったという。

私は実家暮らしで、洗濯も料理も全然できなくて……(笑)
ある日友達の家に泊まりに行ったら、着替えも用意してくれるし、ご飯も作ってくれるし、朝は起こしてくれるし、起きたら朝ごはんが用意されてるし、という状況で。
ふと「あれっ彼女と結婚しちゃいけない理由って何だっけ?」と思ったのがこの企画の始まりでした。
“同性である”ことを忘れるほど、素晴らしい人が目の前に現れたとき、人はどうするのだろうと。テーマはあくまで“働く今どきの男女の恋愛観”であり「好き、結婚したい、という感情とは果たして何なのだろう」ということ。BLがやりたかったとか、そういうことでは全然ないんです。(話:貴島彩理)

リアルサウンド(https://realsound.jp/movie/2018/06/post-201379.html)より引用

本当にこのインタビューの通り、「好き、結婚したいという感情は果たして何なのか」をものすごく訴えかけられるドラマだった。

きっとこれは、私以外の視聴者も同じようなことを思ったのではないだろうか。

『おっさんずラブ』を見ていると、「応援される恋愛ってなんだろう」「結婚って何なんだろう」「愛を形で示すってどういうことなんだろう」と思い始める。
筆者は「結婚とは覚悟のこと」だと思っているのだけど、この考え方だって正しいのかどうかわからない。

②いちいち特別視しない世界がある

『おっさんずラブ』の世界では同性愛者が何名か出てくるが、誰もそれを否定しない。
というか、すごく普通のこととして描かれている。(読者の中に同性に恋をしたことがある方がいて、「普通」という言葉に腹立たしさなどを感じさせてしまったら申し訳ありません。)

春田(田中圭)は幼馴染である友人に、男性ふたりから告白されたことを告げると、幼馴染は「やったじゃーん!モテ期到来じゃん!」と歓迎する。

またあるときは、ひょんなことから同僚に恋路で悩んでいることがバレてしまう。その時も同僚は恋の相手が男性か女性なのかなんて所には全く触れず、「ふーん、押してダメなら引いてみなよ!」的な恋愛アドバイスをしている。

同性に恋をすることをいちいち特別視していない。
それに、否定も入らない。主人公自身は「今まで女が好きだったのに!」「俺が彼女?あいつが彼女?どっちがウェディングドレス着るの?!」と悩むけれども、ドラマの世界自体は、同性に告白されること、同性に恋をすることが、ごく自然なこととして展開していく。

例えばSNSの世界などでは、自分と違う意見を見かけると一瞬、否定されたような気分になってしまう。
そういった寂しさや、トゲトゲしさのない世界観だから、見ていて笑えるし、楽しく感じられる。

③シリアスとお笑いのバランスが絶妙

私はこのドラマは同性恋愛をしたことがない人にはとても感情移入しづらいドラマだと感じている。
しかし最後まで見ることができたのはシリアスとお笑いのバランスが取れていて、見やすいからだと思う。

あらすじで紹介した主人公・春田(田中圭)を取り合うのは、部長・黒澤(吉田鋼太郎)と後輩・牧(林遣都)だ。

彼らの役割分担が、絶妙なのだ。

──連ドラ化が決まるほど好評な「おっさんずラブ」の魅力はどこにあると思いますか。
とにかく鋼太郎さんがめちゃくちゃ面白いです。シリアスというか切ない気持ちの部分は遣都くんが担当していて、バランスがちょうどいいと思います(話:田中圭)

ビデオパスナビ(https://web.videopass.auone.jp/navi/article/39036)より引用

同性と恋愛するということは、カミングアウトのタイミング、周囲の偏見、「孫の顔が見たい」と無邪気に望む家族の期待など、いろんなハードルがまだまだ存在する。

そんなシリアスなところを主人公の後輩・牧がドラマの端々で表現してくれる。

一方、恋とは、相手の一言で一喜一憂して楽しいものでもあり、そんな「恋する乙女」的な部分を、吉田鋼太郎が演じていて、とにかく顔に似合わず可愛すぎることをするのでかなり笑える。

このバランスが絶妙なので、私のように今までBLを見たことない人や、異性としか恋愛をしたことがない人にも楽しんで見ることができる。

おっさんずラブ(全7話)はアマゾンプライムで見れるので普段、私のようにバチェラーを見ている人も一度、見てみてほしい。