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小説家と広告マンは似てる気がした〜「アイデアの作り方」の感想〜

イデアとは既存の要素の新しい組み合わせ以外の何ものでもない 

この言葉をきいたことがある人は多いと思う。
ご存知の方も多いと思うのだけど、これは『アイデアのつくり方』という本に出てくる名言だ。

例えばパズドラ

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https://pad.gungho.jp/member/のキャプチャ

パズドラとは、「パズル」と「ドラゴンを倒すRPGゲーム」を組み合わせたゲームだ。2013年頃に大ヒットし、なんと現在も継続して人気を維持している。

イデアとは既存のなにかなにかの組み合わせだ。
この名言を生んだのがアメリカの著名な広告マン、ジェームス・W・ヤングである。

彼が書いた『アイデアの作り方』は1時間ほどで読める、1940年代に出版された書籍だ。しかしいま現在もなお、多くの広告マンや、経営者などが勧める名著の1つである。

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『アイデアのつくり方』著:ジェームス・W・ヤング

イデアを出せる人の条件

前提としてアイデアを生み出せる人には2つの条件がある。
1:常に勉強、経験を続ける人
2:物事と物事の関連を見つけられる人

イデアとは既存の物事のかけあわせなので、知っている物事は多い方がよい。
もし、ゲームクリエイターがパズルを知らなかったらパズドラは生まれなかった。
だから常に好奇心をもって勉強を続けられる人である必要がある。

そして2つめも言わずもがな、既存の物事と物事をかけあわせるのだから、なにとなにの、どことどこを、どんなふうにくっつけるのか、関連性を見つける能力が必要である。

前者については常に本を読んだり、勉強を続けるしかない。さらに言えば年をとるしかない。結婚、子育てなど経験しなければ知れないこともあるだろう。
一方後者については、これから紹介する「アイデアの作り方」で関連性を見つける力を養える。ただし、素の知識・経験が少なければ少ないほど効果は発揮しない。
言い換えれば、経験や知識が多いほど、効果を発揮する。何気ないことがアイデアにむすびつく可能性が広がるからだ。

つまり、勉強の習慣、経験の習慣があることがアイデアを生み出せる人間の前提条件だ。

イデアの作り方

シンプルすぎてがっかりするかもしれない。

  1. 情報をあつめる
  2. 情報をカードに書き出す
  3. 放置する
  4. ずっと考える
  5. 批判を受ける

表現は違うが、上記の流れだ。ちなみに『アイデアのつくり方』の中では

  1. データ集め
  2. データの咀嚼
  3. データの組み合わせ
  4. ユーレカ(発見した!)の瞬間
  5. イデアのチェック

と表現されている。それぞれのやり方を詳しく書く。

1:情報をあつめる

「情報」とは2つに分けられる。

①特殊資料と②一般的資料だ。

①特殊資料

たとえばあなたが、とある歯磨き粉を売り込みたいとする。
そうしたら、その歯磨き粉に関する情報、その歯磨き粉をつかうであろうターゲットを考える。そして、彼らに関する情報を集めまくるのだ。

この特殊資料の集め方について、とても分かりやすい例が本書の中にあった。

「この知識の収得には、モーパッサンが小説を書く勉強法としてある先輩の作家からすすめられたプロセスに似たところがある。バリの街頭に出かけてゆきたまえとモーパッサンはその作家から教えられた。そして一人のタクシーの運転手をつかまえることだ。その男には他のどの運転手ともちがったところなどないように君にはみえる。しかし君の描写によって、この男がこの世界中の他のどの運転手ともちがった一人の独自の人物にみえるようになるまで、君はこの男を研究しなければいけない」

②一般的資料

もう1つは、「アイデアを出せる人の条件」に書いた、一般的な経験や知識だ。

『アイデアのつくり方』にはこんな風に書いてある。

「私がこれまでに知り合った真にすぐれた創造的広告マンはみんな
きまって二つの顕著な特徴をもっている。

第一は、例えばエジプトの埋葬習慣からモダン・アートに至るまで、彼らが容易に興味を感じることのできないテーマはこの太陽の下には一つも存在しないということ。人生のすべての面が彼には魅力的なのである

第二に彼らはあらゆる方面のどんな知識でもむさぼり食う人間であったこと。」

イデアとは、この①特殊資料と②一般資料の掛け合わせだ。

2:その物事についてじっくり観察すること(カード索引法)

次に集めた特殊資料と一般資料を可視化して、組み合わせるための材料を整理する。
『アイデアのつくり方』の中では、カード索引法という方法が紹介されている。

それは単語カードみたいなカードに、集めた資料に関する情報を合っている、合っていない関係なくたくさん書き出すのだという。

これはどうやら、いわゆるブレスト(ブレインストーミング)の大元になっているらしい。

たとえば先ほど挙げた歯磨き粉の例ならば、こんな感じだろうか。

新しい歯磨き粉は、口臭予防に効果の場合、

  • 寝起きまですっきり
  • 勝負デートの前に使える
  • 起きた後すぐにキスできる
  • 持ち運びできる・・・etc

もしこれが虫歯予防に効果的なら、適当だけどこんな感じだろうか。

  • 予防歯科
  • 家族で使える
  • 特に子供に使わせたい
  • 味の種類

こんな感じでとにかく思いつく限り、事実やむすびつけたいことを書きだしまくる。

歯磨き粉を使うユーザーについて先ほど紹介したように、小説家になりきって、とある一人の人間がどのほかの人間ともちがった一人の人間に浮かび上がるまで観察・想像するということだ。

これはめちゃくちゃ難しい。。。
私は現在、Webマーケティングコンサルティングをしている。その提案をするときにこれからはこの作業を絶対に挟もう、と決めた。

3:放置する

情報をたくさん書き出して、考え抜いたら、今度はそれを忘れよう。『アイデアのつくり方』では映画を見たり、小説を読んだりと感情をゆさぶる体験をすることを推奨している。

4:ずっと考える

そうしたらまた、カード索引法で出した情報たちに意識を向かせる。
ここではだれもが経験したことがある「ひらめき」の瞬間について書いてある。その「ひらめき」の瞬間は、寝起き、ベッドでさあ寝よう、としたときなどだ。

本書にはこんな風に書いてある。

イデアの訪れてくるのはこんな時である。諸君がアイデアを探し求める心の緊張をといて、休息とくつろぎのひとときを過ごしてからのことなのである。

 5:批判を受ける

イデアを閃いたら、それを未熟なものであっても人目にさらすことだ。
良いアイデアとは、人がどんどん「こうしよう」「ああした方がいい」「それはこんな風にかえられないだろうか」「ここがイケてない」と言って、育ててくれる。

以上が「アイデアのつくり方」である。

この本を書いたジェームス・W・ヤングはアメリカ最大の広告代理店トムプソンの超絶敏腕広告マンだ。いくつものヒット広告を生み出した。その後、その会社のナンバー2にまで上り詰める。

イデアの作り方とは別で、2つ自分のメモように、思ったことをブログに書きとどめることにする。

1:日本はエネルギーとアイデアではなく、人口ボーナスで経済成長を遂げたんだと思う

ジェームス・W・ヤングは『アイデアのつくり方』の日本語発売に向けた前書きで、

一国の国富というものは、その国が持つ天然資源によりも、国民のエネルギーとアイデアにより多く依存するものだということを、日本は世界に向かって証明しました。

と書いていた。この本の日本語版は1988年に出版されており、バブルの最中だ。
バブル経済の理由はいろいろあげられているが、有力説は人口ボーナス期によるものである。人口ボーナスは今、経済発展を遂げているアジア圏などが迎えている。

2:ダ・ヴィンチはやっぱり、物事がすべて1つに見える神だったと思う

万物の天才といわれたダ・ヴィンチは、数学、物理学、天文学から、歴史、絵画などにも精通している。『アイデアのつくり方』のこの文章は、まさにダ・ヴィンチのことを指しているように思えてならない。

既存の要素を新しい一つの組み合わせに導く才能は、事物の関連性をみつけ出す才能に依存するところが大きいということである。アイデアを作成する際に私たちの心のはたらき方が最も甚だしく異なるのはこの点である。

(中略)

(それぞれの物事について、)その事実がそれぞれ分離した知識の一片にすぎないという人もいる。そうかと思うと、一つの事実が一連の知識の鎖の中の一つであるという人もある。この場合一つの事実は他の事実と関連性と類似性をもち、一つの事実というよりはむしろ事実の全シリーズに適用される総合的原理からの一つの引列といった方がよさそうである。

この文章を読んだとき、すぐにダ・ヴィンチが閃いた。彼には、数学も天文学も、はたまた絵画までも、同じ1つの物事にとらえられていたのではないだろうか。たとえば絵画なら、「額縁(?)からこのくらい離した位置にこの色つかって、この色の濃ゆさはこういう風にしたら、こんな印象を人は持つ」とか、まあ適当にかいているが、そんあふうに1つ1つの学問が全部、ダ・ヴィンチの中では統一されて、関連していたのではないか、と思う。

以上が1940年代に発売された名作・『アイデアのつくり方』の感想だ。

広告系を志望する学生や、常に効果的なアイデアを求められる仕事をする人にはぜひ読んでみてもらいたい。