転職・キャリア

『転職の思考法』を読んでみると「就活生の時に読みたかったよこれ!」と思った|転職後に読み返してみた

ワンキャリアの北野唯我さんが書かれた『転職の思考法』。
『転職の思考法』は他の転職関係のハウツー本とは違い、小説形式で進んでいく。

主人公は30歳・法人営業担当の青野くん。
彼に転職の思考法を授けるのは企業再生コンサルタントの黒岩だ。
物語の主人公に状況を合わせ、感情移入しながら転職の思考方法が学べる本である。

この書籍を読んで、すごくタメになった考え方があるので、それを今日はまとめておく。職業柄、転職が多い業界なので、今までに何冊も転職の本は読んだし、転職した先輩たちや同期を見送ってきた。

この書籍は就活生や、私のように1度は転職を考えたことがある人には心の底からオススメできる1冊だ。

20代は専門性、30代は経験、40代は人脈 

これはキャリアにおいて何が大事になるのか?という点だ。端的に言うと、

20代は専門性を身につけ、
30代は経験を積み、
40代はこれまでの人脈・新たな人脈で仕事を取ってくる

ということになる。

ここで、小説の主人公・青野くんが興味深い質問をする。

青野「(20代で専門性、30代で経験は) 逆じゃないんですか?
専門性のほうが人との差別化になるし、
逆に経験なんて誰にでもできそうな印象があります」

差別化になるかつ勉強次第で身につく部分がある専門性は30代で身につけ、誰でも積める経験はまだ何もない20代で積むべきではないか?という問いだ。

これに黒岩はこう答える。

「専門性のある人間にこそ、『貴重な経験」が回ってくる。(中略)
そもそも、『貴重な経験」は簡単に得られるわけではない。会社の重要なプロジェクトはいつも専門性の高いエース社員が任されるだろ?
当たり前だ。言い換えれば、専門性のないやつに打席は回ってこない。
だから, 20代は専門性を身につけて、それを生かして30代は経験をとりにいくのがベストだ」

私はこの項目を読んで自分が典型的な大企業的キャリアの積み方を是とする考え方に犯されつつあるのだ、と気づいた。
これはすなわち本書で表現される言葉を少しお借りすると、40代になるまで自分の市場価値が分からないままになる危険な働き方だ。

とある後輩が日系大手の食品メーカーに入社した時のことだ。
彼女はすでに配属が決まっており、聞けば、人事部で新卒採用をやると言う。

私は驚いて、こう思った。

「なんてもったいないのだ。企業の採用担当なんて、現場を経験してからじゃないとわからないのに。。。そこで一体、どんな経験を積めというのだ?何も分からなくて、事務作業係で貴重な1年目が終わってしまう」

この時の私は完全に頭の中で

「大きな会社で、営業、XX部、XX部などいろいろ経験してから、人事をやらないと、どんな人が自社に合うか分からない。一体1年目で何をやれというのだ?」

と思っていた。そうではなかった。

もし彼女が人事領域を極めたいと思っているのならば、それでよかったのだ。
もしそう思っていないなら、他の職種で専門性を磨くために部門移動か、転職するだけの話だ。

20代で積むべきは経験ではなく専門性だ。
何の専門性を身につけるかさえ決めていて、最初の配属がその専門性を身につけられる環境にあるならば、大した問題ではなかったのだ。

20代で専門性を身につけ、その専門性を武器に貴重な経験を取っていくのだから。
「もっと前にこれに気づくべきだった!」と思った。

年収は技術×人脈×業界で決まる

『転職の思考法』では年収は技術×人脈×業界の生産性で決まる、と紹介されている。

技術→営業、経理マーケティング、人事といった職種にひもづくスキル

人脈→言葉の通りで、企業の意思決定権のある者の繋がり。

業界の生産性→伸びている業界に身を置くと、同じ職種でも年収が上がる。さらに言えばそこからの転職も年収が上がる

業界の生産性について、『転職の思考法』に出てくる例をお借りして、少し解説しよう。

例えば少し前はスマホゲーム業界がすごく伸びた。
複数のベンチャーが人気ゲームをリリースし、テレビ広告も頻繁に打つまでになった。

伸びている業界で勤めていると当然景気が良いので、年収は高い。

また、他の業界でも「伸びている業界でXX職を経験していた人」というのは箔が付く。

例えば新しい事業を伸ばしたいとか、事業を立て直したいという時、勢いのある業界を経験している人にお願いしたいと感じるだろう。

では伸びている業界とは何か?

本書によると「急成長している・資金調達に成功しているベンチャーが複数いる業界」は伸びていると言えるらしい。

昨年1月以降に1億円以上の資金調達をした企業の一覧だ。

shikin-pro.com

ご参考にメルカリの資金調達の歴史は以下のようになっている。(Wikiから引用)

2013年
 7月第三者割当増資の実施により5000万円を調達
 8月 ユナイテッドと資本業務提携。3億円を調達
2014年
 3月第三者割当増資の実施により14億5000万円を調達
 10月 第三者割当増資の実施により23億6000万円を調達
2016年
 3月 第三者割当増資の実施により84億円を調達
 6月 初めて黒字化(説明は諸々省略します)

ベンチャーに行こうか悩んだ時や、業界を変える転職をするときには、その業界にいるベンチャー企業の資金調達の歴史を確認しよう、と思った。

転職してから1年以上経って読み直してみた

転職してから1年以上たち、実は他の部署から異動の話が来るようになった。
そこで私は悩んでしまった。

それで再度、キャリアの考え方を整理する目的で『転職の思考法』を読み返してみた。
すると、また勉強になることがいくつもあったので、大きく2つ記録する。

  1. 凡人は経験をとるべし!
  2. 上司ではなく、マーケットをみてキャリアを選択すべし!

①凡人は経験をとるべし

キャリア、年収が決まる3つの軸は「技術」「人脈」「業界の生産性」である、とこの記事でも書いた。

その「技術」とは専門性と経験で構築される。

しかし、プログラミング、マーケティングといった専門性は、上には上がいる。
私もそれは常に感じている。
特にマーケティングについては、近年の10代はフォロワーを増やすためにSNSでしっかり分析してコンテンツを投稿しており、彼ら彼女らが社会人として働く頃、私はマーケターとしての専門性ではきっといつか、抜かれてしまうに違いないと思う。(もちろん、勉強は続ける)

そこで私のような凡人こそ、どんな経験があるかで勝負をかけるしかない。
マーケットでニーズはあるけれど、あんまり多くの人ができない経験。
そこを狙うしかない。

上司ではなく、マーケットをみてキャリアを選択すべし!

「凡人は経験をとるべし」とは言っても、人が何かを決断する時、ノイズになるものがある。

それは今いる周囲のリアクションだ。

もっと今の仕事をやり切ってからにしてほしい
そんなのうまく行かない
逃げるな

などなど、他人は言いたい放題である。特に上司の反応はきになるものだ。

しかし、勇気を出して選択の基準にするのは、マーケットだ。

一般的になかなかそのポジションにはつけないとか、社内でも貴重な経験を詰めるポジションをとるべきだ。
例えばマーケティングなら、最近はWebマーケティングの経験は参入障壁も低く、
比較的容易に取り組める。
しかしオフラインのマーケティング 経験があるマーケターは、私の周りではあんまりきかないものだ。

だったらそういう経験を積める場所を選んだ方が、自分の次のキャリア選択で、優位に駒を進めやすくなる。